作者: きむらこういち
日時: 2007/10/12(15:50)
Bruce.です。
#心に棚を作る男。英語でどう表現するかは知らない :)

07/10/12 に 機械伯爵<kikwai@...> さんは書きました:
>  機械す。
>
> 私の言い方が悪いのか、こちらの情報が伝わっていないので、整理します。
>
> ・「匿名関数」という言い方は、私も別に良いと思わないので、今後できるだけ
> 使わない、で良いと思う
>
> ・ただ、「無名」には「匿名」の意味もあるので、紛らわしいのでは?

機械さんがそう感じる、考えるのはわかりました。
ただそれはどのくらい一般的な解釈になるでしょうか?
つまり、
「無名関数」という字面を見たときに、「なまえがないかんすう」ととるか
「(ほんとうはなまえがあるけれども)なまえが秘匿/隠匿されているかんすう」
ととるか。ということに関して後者ととる人はどのくらい多いでしょうか?
#機械さん個人が納得しないのは了解しています

> ・しかし、「無名関数」という呼ばれ方に歴史があるので、「無名」の「関数」
> ではなく、「シンボルとバインドされていない関数オブジェクト」の意味で
> 「無名関数」という言葉を使う、という話は納得できる

結局ここに行き着くわけです。

たとえば他にも誤訳といえないまでも首をかしげるような訳語はありますよね。
メジャーなところでは「正規表現」とか。
しかしながら、それを正すというのであれば少なくとも置き換えようとするものに
対してより説得力なりなんなりを備えていなければならないと思います。

そこで「匿名関数」を持ってくると、そんな優位性はまるきりかけらもないばかりか、
誤訳の方向に突っ走ってるわけです。そもそも訳語の対象となる語に先行して
それなりに定着している語があるのにそれを無視してそんな置き換えをしようというのは
暴挙というしかありません。

無名関数でもいや、ということであるなら、ebanさん(イキナリ名前を出して
ごめんなさい)のスタイルのように、この手の用語は基本的に原語で書いてしまう
というのが一番紛れがないと思います。

> > K: 実はラムダ式はLispよりもずっと古い歴史をもっている。これはもともと計算の
> > 論理的基礎を研究するために考え出された1つの計算モデルなのじゃ。
> > 計算は小さな*無名の*計算からなる過程だから、これを関数という概念でモデル
> > 化したラムダ式は必然的に*無名*であった。*無名*にする御利益は、堂々巡り
> > 的な言い方になるが、*名前をつけなくて済む*ことじゃ。
>
> じゃ、λ式でいーじゃん(汗)
>
> ちなみに、λ式をシンボルにバインドすると、Schemeの関数(手続き?)に
> なりまするぅ。

これはFe2+さんがすでに指摘済みなのでスキップして

> > 数学的にはどうかと思って数学時点を何冊か見てみましたが、
> > λ calclulas 自体が載っているものを見つけられませんでした。
>
> 例のxyzzyを使ったCommonLisp本に、けっこー詳しく載ってましたけど、
> 数学の専門書は、私は全然よめませぬ……

いや、数学で使う用語が集まっている辞典です。λ calculas そのものの
解説がみたかったのではなくて、それが載っていれば「名前がついてない
関数」のことも載っているのではないかと考えたので、それを探したという
ことです。

ですんで、「こんぴゅーた科学」の本である入門 Common Lispでλ calculas
の記載があるかどうかは関係ないです。とりあえず。

-- 
木村浩一
 I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes
or shoud I?
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