作者: MATSUI Fe2+ Tetsushi
日時: 2007/10/12(14:14)
Fe2+ です。

At Fri, 12 Oct 2007 12:21:54 +0900 (JST),
機械伯爵 wrote:
> > K: 実はラムダ式はLispよりもずっと古い歴史をもっている。これはもともと計算の
> > 論理的基礎を研究するために考え出された1つの計算モデルなのじゃ。
> > 計算は小さな*無名の*計算からなる過程だから、これを関数という概念でモデル
> > 化したラムダ式は必然的に*無名*であった。*無名*にする御利益は、堂々巡り
> > 的な言い方になるが、*名前をつけなくて済む*ことじゃ。
> 
>  じゃ、λ式でいーじゃん(汗)

それは誤解を生むと思います。

本来のλ式の定義自体はかなり単純で、

1. 変数はλ式である
2. 二つのλ式 M,N に対し、MN はλ式である
3. λ式 M と変数 x に対し、λx.M はλ式である
4. 上で述べた以外のλ式はない

3.でいわば関数を定義して、2.で引数を渡すという形になります。具体的な計
算はこの後β変換と呼ばれるλ式の書き換えなどを繰り返すことで実現します
が、ここでは(必要性もないので)省略します。

ということで、3.の形(λ抽象と呼びますが)を援用した関数記法でしかないも
のをλ式と呼んではいけないと思います。
# 各言語の字句解析ルールとしてこういうものをλ式とラベル付けることは勝
# 手だけど、一般論はまずい。それに、λ記法以外に名前のない関数を表記す
# る方法があったらどうするのか、とか。


無名/匿名は、わりとどうでもいいです。
どちらも見掛けるし、anonymous の訳だなと思うだけなので。
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MATSUI "Fe2+" Tetsushi