作者: 閑舎
日時: 2002/4/07(15:42)
●簡単な TeX 文書の PDF 形式への変換

  コマンドラインで
    kpsewhich -show-path="truetype fonts"
  とやって示されるパスに TrueType フォントが必要です。
  通常、Windows の fonts フォルダなどが入っているはずです。
  もしここに TrueType フォントがなければ、
    c:\usr\local\share\texmf\web2c\texmf.cnf
  で環境変数 TTFONTS に TrueType フォントがあるディレクトリへのパスを追加します。
    TTFONTS = .;$TEXMF/fonts/truetype//;$SYSTTFONTS;d:/myfonts//
                                                   ^^^^^^^^^^^^^

  では、ここで簡単な文書を作ってみましょう。

  1. 以下の \documentclass から \end{document} までを 1.tex として保存してください。

	\documentclass[a4j]{jarticle}
	\begin{document}

	TSNETはテキストの殿堂です。

	dvipdfm\cite{dvipdfm} を使えば
	PDF 文書独特のしおりやハイパージャンプ機能などを使った文書を作成できます。

	さらに、
	フォントのサブセットをベクトルフォントのまま埋め込むことができ、
	PS Type1 フォント、CID フォント(Type1 のマルチバイト版。CMap が必要)を使えるので、
	見た目、印刷結果ともにとても綺麗です。
	\end{document}

  2. TeX でタイプセットし、dvi ファイルを作ります。
    platex 1.tex

  3. dvipdfme で PDF 文書に変換します。
    dvipdfme 1

 ここで 1.pdf を Acrobat Reader 5.0 以上で表示してみてください。
よくマニュアルなどでお目にかかる、綺麗な文書が現れることと思います。

 従来の dvipsk、GhostScript を併用して作成していたものを 1old.pdf として、
後に示す URL に置きます(Type 3 フォントなので綺麗ではありません)。

 さて、1.pdf ですが、[ファイル]-[文書のプロパティ]-[フォント]としてみると、
MS Mincho が「埋め込みサブセット」となっていることに気づきます。
つまり、埋め込まなくてもよいものが埋め込まれているのです。

 ここで c:\usr\local\share\texmf\dvipdfm\cid-e.map を編集します。

  %rml  H Ryumin-Light
  %gbm  H GothicBBB-Medium

の各行の前にある % を取って上書き保存してください。ここで再び

  dvipdfme 1

としてみると、生成された 1.pdf では MS Mincho が埋め込まれていないため、
サイズが小さくなっています(この方法が最良の選択です)。
これでひと段落、TeX の使い方をおいおい覚えていけば、一応使えるでしょう。


●サンプルの場所

  http://rakunet.org/usernet/tips/dvipdfm.html

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本田博通(閑舎)
Hiromichi Honda <raku@...>