作者: Kazuya FUKAMACHI
日時: 2008/3/08(23:29)
深町です。

機械伯爵 さんは書きました:
>  まぁ、こうやって「はっきりと」されてしまえば後の祭りですが。

あんまり早く、答えをもってきて失望させてごめんなさい。

昨晩、メール出したら 3時間もしないうちに返事が返ってきて、
(寝ているときに返事があったので、こっちは見るのが遅くなりましたが)
メールを出しておきながら、びっくりしました。

いきなり変なことを聞くメールにすぐ答えてくれた
Guido さんは、実にオープンで実にいい人。

ちなみに、
"Computer Programming For Everybody" (CP4E) に先だって、
教育現場の先生たちが、Python を使って成功したのですから、
Python が教育に向いている可能性は高い。

これは言語そのもの特徴がもたらしていることなのか、それとも、
先生が習得しやすいから、教えるときにも無理なく教えられるからなのか、
びみょーなところもあるとは思うのですけど。

MIT などでも Python を使ってロボットプログラミングとかの講座が
あるわけで("Python bridges the gap between C and the Unix shell"
の成功例でもあるわけですが)、教育の現場で好まれる言語であること
も、やはり間違いではないと思います。

子供へのプログラミングの教育モデルケースとして、
Python は成功事例があるのですし、
世界のあちこちで事例が増えてきているわけでしょうし。

Python: Kids show you RurPle and EasyGUI
http://showmedo.com/videos/series?name=pythonJensFromKidsSeries

見ても、実に楽しそうでいいじゃないですか。

CP4E を通じて Guido さんもコンピュータ教育のための Python を
推進していたこともあるわけですし。IDLE なんかはそうした過程で
作られたわけですし。

一番最初がどうだったかとか、あまり関係ないんじゃないでしょうか。
教育者のニーズを満たす可能性が高い言語としての Python というのは
いかがなもんでしょうね。

欧米の Python を使っている教育者とコンタクトをとれば、
もっと、よくそのあたりの事情が分かるんじゃないかと思います。

なぜ、あるいはどのような過程を通じて、ある言語が、一定のユーザを
獲得したり、広く使われるようになっていったかっていう原因や理由
など調べてみると、もしかしてすごくおもしろいんじゃないかなとか思います。

たぶん、ある人たちにとって良い言語というのは、
affordable なところがあって、
コレを使って何かしたいと思わせて、実際にやってみるとやりやすい
というところがあるわけですよね。受容性が高いというか、
糊言語的というか(だからマクロ言語として Python はよく使われる)。

いろんなものを受け容れてくれる、あるいは、受け容れてもらいやすい
という長所がある。言語を作る人側にとってみれば、その人の感性で
きれいだとか、シンプルだとかいう言葉で表せるようなものなのかも
しれませんね。

加えていうなら、
欧米人にとっての Python の一つのメリットは、自然言語を読むのに
近い感覚で読めるということがあると思います。

    ある人々からは評判が悪い、インデントを使った書式にしても
    自然言語との親和性を考えてみると、
    実に素直な表記方法だなとか思うわけです。

逆に、コメントがきっちりきれいに入った Python のコードというのは、
まるで英語のドキュメントを読んでいるような感じになるので、
英語嫌いの日本人とかは、受け容れがたい面もあるかもしれません。

日本人て罫線がたくさん入った表とかを入れたドキュメント好きでしょ。
それと同じで、{} とか入っている方が見た目がべったりなりにくくって、
そうしたプログラミング言語の方が、表を埋めていくような感覚に
近い快感がどこかにあるのかもしれませんね。

日本の教育現場で Python を普及させるとするならば、
普通の日本の教師たちにとって何が魅力なのかを調査して、
そこを拡大させていくのが得策かと思います。

日本人は出自や誰が使っているとか、その手の釣り言葉に弱いのは
確かですけど、本質を突いていった方が結局は近道じゃないかなと。

言語の前に、やりたいことがあって、それで Python 使うといいじゃ
ないですかというシナリオ。

官製談合とかでよく使う手で受注者が仕様を作ったりとかして、
その仕様を満たすのが仕様を作った会社のものしかないのですとか、
そういうのと同じ手法を使ってみたりとかw

--
深町 和哉