作者: 閑舎
日時: 2002/6/23(10:51)
藤岡和夫 <kazuf@...> さん writes.

>  少し調べてみましたが、編集著作権というのは二次的な加工、再配布の権利で
> はなく、編集加工したものの著作権を主張するもののようです。編集加工した部
> 分に著作権を主張しているわけですね。

私も著作権関係の書籍を手許に置いてなかったので、教室から持って帰ってなが
め直してみました。編集著作権という術語はおっしゃる通り、創造的な 2 次加
工を施した場合、その加工方法に関する権利として使用されており、私の使用法
がまちがってました(著作権関係を詳しく調べたのはもうだいぶ前になってしま
い、細かい言葉の定義などはうろ覚えになっていることがわかりました。これか
らは書籍を参照にしつつ書きます)。

>  私がこの部分にこだわったのは著作権は尊重すべきということで、発言を編集
> したり、編集物の配布を容易にするために了解を得る手間を惜しむべきでないと
> いうことなんです。参加者は沈黙しているかもしれませんが、不当に取り扱われ
> たと感じているケースが多いのではと思っています。ニフティの経験からですね。

おっしゃることはわかります。ただ、私の考えとしては、メーリングリストが流
す原データを、まずこちら側ではスクリプトで、HTML 形式に加工していますよ
ね(形式的なタグづけ)。これは原著者の著作権を侵害する意図のない 2 次加
工です。メールアドレスを隠す加工、添付物を除去する加工、あるいはデータベー
ス形式に変換する加工、namazu が「皆さん、こんにちは。ここ TSNET では...」
などといった形でログを引用したり、該当する文字を赤く強調する加工、このよ
うなことも、1 人 1 人著作者の了解を取らないとできないとしたら、うれしく
ないと思うのです。何か新しいサービスを起こすごとに「こういう形式で発言を
編集することになりましたのでご了解ください」と会議室に書く、でもそれは恐
らく法廷では完全とみなされないケースも出てくるでしょうから、問題が起こっ
た場合を見すえての無難な対処は 1 人 1 人メールを出して確認を取ることにな
ると思います。現実的には不可能ですよね。

 また、今後、メーリングリストの内容に、プライバシー侵害や名誉毀損、著作
権侵害、他の ML, NG でよく見るメーリングリストの内容に一切関係のない広告
文、ワームの添付など安全性の侵害等々、著作権より削除を優先しなければなら
ないケースも現れる場合もあるでしょう。

 私の考える、基本的なスタンスは、過去ログ(あるいはアーカイブと呼んでも
いい)はコミュニティの共有する著作物(共同著作物)と考え、原著者の表現に
敬意を払い(つまり、著者の表現を批判しながら変えていくなどしない)、一定
のルールを守りながら、商利用を伴わないなら、これを 2 次加工する権利を与
えてもいい。この場合、個人情報、セキュリティ情報など、問題となる可能性の
ある部分をフィルタリングしておきたい。となります。

 つまり、GPL のスタンスですね。スクリプトの文化の原点としての……。

>  私の読み違いであればすみません。上の文では二次的な加工、再配布は発言者
> の了解なくやってよいというように読めるような気がしたものですから、、、、、

……ということで、入会時に、2 次加工に関するルールを提示し、それを了承し
てもらった上で、ある程度、無断で 2 次加工、再配布しよう、ということにな
ります(^^;。

 まずいでしょうか?

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本田博通(閑舎)
Hiromichi Honda <raku@...>