作者: 機械伯爵
日時: 2002/6/19(23:28)
 ども、機械です。

 比較広告的な宣伝、とゆーのはアメリカ人がお得意で、なおかつプログラマが
自分の信奉(笑)する言語を広める際によく用いられます(私も・・・)が、こ
とによると相手の現状を全否定することになりうるので、その表現には(特に日
本人には)配慮したほうがいいかもしれません。

 そんな観点から、気になったトコをちょっとピックアップします。

※あくまで、間違ってるわけじゃないんですけどね・・・

>  ・一般に、市販ソフトは自分で自由に改良は出来ませんし、そのソフトのデータ
>    は、独自性が有るため、流通性の確保が困難です。

 某Wordのように、十分なシェアがある場合には別ですね。

 いくら恐ろしく「脆い」データでも、みんなが使えば怖くない、と。

※Wordデータが読めない、というと、まるでコンピュータを使えないように
 言ってくれるのは、すげー腹が立ちますが、今のところWordに洗脳された
 方々にソレを言って通じたことがありません。

※以降、Wordデータをバイナリドキュメントデータの代表格として例に挙げます
 が、Excelブックデータなどでも同じです。

>    そのため、コンピュータユーザは、「不自由」を感じるのではないでしょうか
?

 「DOS時代よりはましだ」とよく言われますが・・・

>  ・コンピュータ処理は、GUI環境・マルチメディア等の画像・音声がもてはや
>    されていますが、これだけで、ユーザがコンピュータの恩恵を受けていると言
>    えるでしょうか?

 そもコンピュータを使えなかった人にとっては、十分「言える」でしょうね。

>  ・私たちは、コンピュータの「文字」の部分に着目し、「可読性・流通性」のあ
る
>    題材「テキスト」について考えるインターネットサイトです。

 Unicodeの台頭により、テキスト=可読性という図式も、そろそろ旗色が悪く
なってきました。

 依然としてASCIIコードは健在ですが、それ以外についても、直視していく
必要がでてきています。

>  ・「テキスト」には、「可読性があり、広範囲で自由に加工できる」ユーザメ
リッ
>    トがあります。言いかえれば「テキストは人に優しい」と言えるでしょう。

 「ハングルは文字だから可読です。だからコレ読んでください」と言われて
納得できるかどうか? ですね。

 可読性うんぬんを問う場合、現在では3つの意味が考えられます。

 1つ目は、単純な文字の羅列としてのテキストで、これは確かに上記の条件に
あてはまりますが、表現力の面からいえば、完全にWordデータなどに劣りま
す。

 2つ目は、XML,HTML,TeXのようなマークアップ言語で、これは表現力として
はWordデータなどにひけをとりませんが、テキストの状態で「読める」人には
前提としてマークアップ言語の知識を必要とします。

 3つ目は、各種スクリプト言語のソースや、PostScriptなどの「テキストで書か
れた」画像・音楽データなどですが、もうこの段階になると、知識の無い人にとっ
ては、バイナリと何ら変わるところがありません。

 テキストで現在流通しているデータの全てを置き換えるには、相応の知識を強
要することになりますので、これが果たして「人に優しい」かどうかは疑問です。

 むしろ、現在流通している情報自体が「修飾過剰」であり、本質部分は意外に
シンプルなものである(あるべき)ということ、そしてそれを表現するにはテキ
ストで十分、ということを強調するほうが良いかと思われます。

 あと、テキストデータで強調すべき点は「現在だけでなく未来に向けての互換性」
あるいは「データ破損に強く修復が容易」というところでしょうか・・・

>  ・あなたが色々な情報をコンピュータで処理するとき、まずは表計算ソフト等を
使
>    おうとするでしょう。

 余談ですが、Excelと言った方が、表計算ソフトというより通用しますね、現在。

 WordよりもExcelの寡占状態のほうが問題かも・・・

>    等とします。慣れれば、5分程度で出来ることです。

 新たなスクリプト言語習得なら数時間、さらにプログラミング初心者なら、プロ
グラミング習得に数十時間を要します。

>  ・勿論、はじめは難しいかもしれませんが、ひとつひとつ身につけていけば、貴
方
>    も真のコンピュータユーザになれるでしょう。

 スクリプト言語の特徴として「単純な1構文を覚えれば、それだけで相当なこと
ができる」ということがあると思います。

 本格的なプログラミング言語(・・・という言葉は現在では変だけど)なら、ま
ずプログラムを走らせるまでが大変(特にJava(笑))ですが、AWKの1行野郎
でどれだけのことができるか、なんかの例をちょいちょい、っと書き加えると、
説得力があるんじゃないかな? と思います。

 さらに、私の信念の一つとして「プログラミングは面倒くさいかもしれないが、
決して難しくない」というのがあります。

 今の1の手間が、その後の100の手間を解消してくれる、ということは、
胸を張って保証していいと思います。

※まぁ実際は、色々出来るようになると欲が出て、不必要な時間を使うことに
 なるんでしょうけど、そこらへんは自己責任ですので(笑)

 というわけで、人にスクリプティングやテキスト利用を勧めた実体験から、
気になるトコを書いてみました。

 必ず意識しなければならないことは、スクリプティングがいかに魅力的かは、
実際に使ってみないとわからない、ということです。

 紹介するときも、そういった実例をばんばん出していくことが、比較広告
以上に効果的だと、私は思います。

   機械伯爵