作者: 閑舎
日時: 2005/11/06(12:31)
Fe2+ <VED03370@...> さん wrote.

> 「願わくば…ことを」という文では、「ことを」の前は「ん」を置くと落ち着
> くようです。最初に文意が変だと指摘された文はそうなっています。
> 「ん」は推量(その他いくつかの意味)の助動詞「む」で、今回意味的に打ち消
> しが付かないといけないので、「ず」+「む」→「ざらん」が付く、というの
> が古文の文法に沿った解答だと思うのですが、いかがでしょう。

厳密にいうとそうですね。「現(わ)れざらんことを」のほうがいいと思います。

「願わくば」と「願わくは」はどちらでもいいと思います。平安時代は確かに
「願わくは」だったというのが定説ですが、もはや江戸期の国学者くらいから誤っ
て使われており、明治になったらむしろ「願わくば」が普通になっているはずで
す。特に漢文の書き下しだと、「べくんば」とよく言いますよね。「べくは」と
はほとんど聞きません。純擬古文で書くならともかく、現代人が書くのですから、
このレベルになると、まずどちらでも問題ない、と思いますです:-p。

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本田博通(閑舎)
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