作者: 藤岡和夫
日時: 2008/1/02(00:32)
On Tue, 01 Jan 2008 15:52:35 +0900
davi <davi-1984@...> さんwrote:

> う〜ん。そうかなぁ。HTMLのhyper linkにみんなが飛びついたのは
> 複雑なことが簡単にできるようになったからだと思うんですよね。
> 
> で、DB以外のところでxmlが普及しない(=xhtmlが普及しない)のは
> メタ言語がメタすぎる、抽象度が上がりすぎてしまって、そこで人間
> を選別してしまっていることの一つの証拠じゃないかな、と見ています。

 そうですね。XMLは機械が理解するための言語なので、人間には向きませんね。
XMLを普及させることは目的ではなくて、必要なら使えばよいという感じです。
今なら、RSS/XMLとか、僕の場合はTimelineやGoogleMapsのデータに使っている。
データ構造化言語としては汎用性が高いから選択されたということだと思います
が、人間が取り扱う場合も考慮して、YAMLとかJSONとかを選択する場合も多いで
すね。

 ぼくが言いたかったのは、Webページには様々な構造が含まれているというこ
とです。大きく分けて二つ、文書の意味的な構造、文書としての表現です。HTML
は意味的な構造と表現の両方を制御した。意味と表現は密接に関係しているので
すが、表現を細かく制御するためにはタグが複雑化してしまうので、CSSが登場
する。表現方法の指定は分離したほうがよいというわけです。これを究極まで推
し進めるとワードプロセッサの表現にまで行き着くわけです。それも既にあると
いっても良い。従って、これは簡単にしたければ、HTMLだけを使っても良いわけ
です。目的に応じて使い分けるということになります。複雑なことがしたければ、
それだけ複雑な指定を行う必要が出てくる。選択の問題で、選択可能です。

 Hyperlinkについては、HTMLのなかで最も重要な要素であり、HTTPとURLと合わ
せて、Webの発明の基盤なので、おっしゃるとおりですね。Webの文書が普通の文
書ではないハイパーテキストである由縁ですからね。

> 一方で、扱える枠組みは既にできちゃっているから、猛烈な勢いで
> 情報爆発がおきている。
> 
> そのくせ、windowsのエクスプローラしか知らない人は、ファイル名
> 一覧をテキストファイルに落とし込むことすらできなくなってしまった。
> dir > out.txtとかで一発なのに。

 それを一般の人に求めるのは無理のような気がしますね。目的によりますが、
画面コピーするとかが簡単でしょう。

> そういう両極を考えると、Googleでヒットした先を開いたらRSSフィード
> だった、みたいな時に、困惑する人はどうするんだ、という風に思うん
> ですね。

 確かに最近ありますね。おいおいと思います。

> いろんなタグがついた生のXMLデータなんて、コントロールコードが
> 所々に埋め込まれた「半分バイナリなテキストファイル」と同じよう
> なものでしょう。
> 
> 一太郎Ver3のファイルなんかが、まさにそれでしたが、意識の上では、
> それと同等だと思います。

 なるほど、その通りなのでしょう。至言ですね。

> >  確かにこのような方法は、Perlが登場するまではUnixでも主流だったと思うの
> > ですが、今ではShellの機能を取り込んだスクリプティング言語がその役割を果
> > すようになってきているということではないかと思います。
> 
> この「Shellの機能を取り込んだスクリプティング言語」ってのは、大きい
> ように思います。
> 言語がそれぞれ統合開発環境になってしまっていて、それぞれが囲い込みを
> ほぼ完了した感じです。
> 
> Javaプラットフォームとかからそうなって来たように思いますが、今は
> ActivePerlもrubyもHSPもみんなそんな感じですね。
> 各部屋相互が不干渉というか連携しないというか、まぁ、蛸壺化してしまう…。

 JavaよりはPerlのほうがかなり古いと思いますよ^^;) 各言語は文化的な相互
作用をしているので、相互に影響下にあります。Perlの最初のオブジェクト指向
の実装はPythonの影響を受けているそうです。

> >だから、スクリプティ
> > ング言語をメインに使っている人はあまり関心がないかもしれません。それでも
> > 使うことに習熟している人はシェルスクリプトを使い続けるでしょうけどね。
> 
> それを否定する気はないんですが、いきなり真っ黒画面で呪文打って
> Hello Woldではなぁ、と…。

 そうですね。今では、Eclipseを使う手もありますが、コマンドラインを使う
ことも知っておいたほうがよいと思います。スクリプティング言語のアプリケー
ションのプラットフォームとしてではなく、デバッグ環境としてですね。

 次にエディタ上でスクリプトを実行する方法がありますが、これもアプリケー
ションとしては限界があります。それでCGIに行き着いている。私の状況はそう
いう段階です。これならインタラクティヴな高度なアプリケーションが可能にな
ります。

 さらに次はHTMLフォームの表現を超えることも可能になっていくとは思います
が、それは二次的な問題だろうと思っています。

> >  そんなことで、それほど決定的な理由もないのに、あまりにも選択肢が多いと
> > いうのは、結局どれで行けって言うんだいと思ってしまいますね。
> 
> 知り合いの大学の先生が学校の情報センターにねじ込んで、
> 教室のパソコンに茶筌を入れさせたんだ、と自慢していました。
> 
> さて、そこの学生達は学校の用意してくれた環境ではそれを使えるん
> でしょうけれど、家でも活用できるようになるんだろうか?と。
> 
> SPSSなどの高価な統計ソフトなんかでも事情は同じでしょうけれど、
> 「(たとえ無料であろうとも)何かしらの特別なソフトをセット
> アップをしないでもできる」ということは、かなり大きいだろうと
> 思うんですね。
> 
> 例えば、Perl入れたら、今度はCPANからどれそれのモジュールを
> 取ってきて…となって、そのバージョンが新しくなるとまた入れ
> 替えて…と。環境管理だけでウンザリしちゃうわけですよ。
> 
> 昔だって最初は「バッチファイルって便利ですよ。」からだった
> じゃないですか。
> 
> それで、15年前は入門がgrepで次にsedで…だったのが通用しなく
> なってしまっているんですから、気構えとしては
> 
> 正規表現そのもののお勉強の前に、Wordの置換。
> そのつぎにVBSやらWSHやら。
> 
> というあたりが、15年後の今としては適当なんじゃなかろうか、
> という気がしたんです。
> 
> 高校では、もう、情報科が必修になっているはずですから、
> たとえば、WordやExcelをそこそこ使えるようになっている
> 大学への新入生をターゲットとして仮定すると、そういう風に
> なるんじゃないかなぁ。
> 
> 「そんなのTSじゃない」という意見も多いだろうとは思いますし、
> 「そういう場は、他にたくさんあるじゃないか」と言われれば、
> そうなのかもしれません。

 なるほど、おもしろい話ですね。WordやExcelはデスクトップの話ですから、
それもスクリプティング言語にとっても一つの分野ではあります。ただ、スクリ
プティング言語を利用する分野としては特殊なほうだと思います。VBAを勉強し
たほうが役立つかもしれませんね。

> 上のように言いながら、一方では私も、理工系の大学一年生や
> 情報系の専門学校生とか、どんな授業を受けているんだろうな?
> という疑問もあります。
> 
> また、職場で専門学校を出たばかりの新入社員が、どんなことが
> できて、どんなことができないのか、というのも私は知りません。
> 
> 結局、TSがTSとして、ターゲットをどの辺りの層に設定するか
> というイメージによって、色々変わってくるのでしょう。
> 
> 皆さんはどんなイメージなんでしょう。
> 
> でび  http://homepage1.nifty.com/davi/
> 

 今日のところはこれぐらいで。

藤岡 和夫
kazuf@...
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