作者: 機械伯爵
日時: 2009/3/18(12:29)
 機械です。
 言葉は難しいです、色々と。

> それから初心者をばかにしてはいけない。初心者だって自分で選択する権利はあ
> るのだから。2.6も3.0も両方使うという選択肢もあるわけだし。それが言わばも
> っとも有り得ることだと僕は思うけどね。

 初心者の定義にもよりますが、両方使える人は問題ないかと。
 ただ、気になるのは日本語の扱い。
 exec関数を弄りまくる初心者ってなんかイヤ(笑)なので、そんな人は想定して
ないんですが、日本語処理は結構深刻です。
 Python2流儀では日本語の扱いが難しいので、その関係もあって私はPython3を
薦めてるのですけどね。
 
>  それはともかく、「初めてのPython 第3版」を眺めてみました。これは批評す
> るだけの能力はないのですが、いろいろな読者のニーズに答えようとすると総花
> 的にならざるを得ないのだろうと思いました。ただ、項目的には十分な構成のよ
> うな気はしました。

 私も項目についてはそう思います。
 プログラミング初心者には必要でも少しでもプログラミング経験者には不要なところや、プログラミング初心者には不要でもプログラミング経験者には必要なところ。
 これを両方網羅しているのだから、大著になるのは仕方ありません。
 でも「どっちにも必要ないもの」とか、多いような気がするんですよね。
 また、数多く(全てではないが)の項目について、同様のウェイトでなんども繰り返し説明してるようなところも、テーブルなんかを作れば終わりじゃないかしらん、というような面が多々見られます。
 この本はご本人がPythonの三日間のトレーニングコースのテキストとして使用してるということですが(三日でコレ? すげーボリューム)、テキストがトレーニングコースの内容をそのままトレースする必要は無いと思うんですよ。
 まだまだ無駄が多いような気がする、が、全体に対する私の感想です。

> 奇妙な練習問題もユーザー候補生、あるいは会社でどの言語
> を選択すべきかという場合に説明すべき合理的な理由を求めている人にとっては
> 重要かもしれないですね。

 不要です(笑)
 どうしてもというなら、リストで十分でしょ?(ソレもちゃんとあるし)
 あと、これは私自身の偏見かもしれませんが、Pythonを書いてPythonを薦めるほどの人には、薦める理由なんて百でも二百でも思いつくと思いますよ。
 実績なら「Googleで使用されてます」、メリットなら「開発時間が縮小できます」。
 私はSEでないので断言はできませんが、この二つで十分破壊力あると思うんですけどねぇ。

※あと、自画自賛の質問は、どっかに書いたと思いますが、MSCPの試験を思い出して個人的にイヤなんですよ。

>  そして現段階で、実際のところ、3.0についての本は出しにくいでしょう。そ
> れは仕方のないことでしょう。いつも本は遅れてしまう。ソフトウェアはどんど
> ん変化するし・・・

 それでも出した紫藤さん(『はじめてのPython3』)は偉大だ(笑)
 まぁ、実のところを言えば、今回の『初めてのPython 第3版』は、訳本を出すタイミング自体が悪いと思うんですよね(最初はそう私も思ってた)

 その辺、企画を通した編集さんにも問題あるんじゃないかなぁ。

>  3.0が拡張の互換性がなくなるぐらいの大改造だとはわかってなかった^^;)や
> はり批評能力なし・・・

 拡張の対応が遅いなぁ、とは思ってはいたんですよ。
 内部の書き方まで、結構変更してるみたいですね。
 でも逆に、「全く新しい言語環境」が「どんどん出来上がっていく」のについていくのって、私は楽しいと思うんです。
 柴田さんはそうは思ってないみたいだけど、私は標準ライブラリだけで十分な人って結構多いんじゃないかと思うんです。
 フレームワークを使わなくたってCGIくらいは十分書けますしね。
 もちろん、拡張が必須という人が現時点でPython3を選ぶことは自殺行為だけど、そんな人は自分で判断できるだろうし、未来をじっくりと見据えて時間をかけて薦めたバージョンアップだから、その真価は徐々にでも浸透していくはずです。
 まぁ口の悪い人のように「PythonのVista」にならない可能性はゼロじゃないですけど、Vistaのような拙速の賜物ではないので、私自身は安心してます。

 /機械伯爵/