作者: 機械伯爵
日時: 2002/4/8(20:30)
 というわけで、ようやくPython fro Windowsの日本語化に成功しました。

※藤岡さん、石本さん、ありがとうございました。

 PyJUGのページ(www.python.jp/Zope/)を辿れば、情報と必要なファイルは全て
あるのですが、「ナニとナニをすればいいのか」がちとわかりにくいので、ここに
「インストールと完全日本語化に必要な手順」を全て列挙しておきます。

 なお、ここでは「初心者が、Python2.2をベースに、基本的にShift-JISを使う
ことを前提」とします。

 やることは、大まかに4つ、あります。

 1.Pythonのオリジナルのインストール(まぁ、これせにゃなんとも・・・)
 2.Pythonの心臓部の日本語化(Python22.dllの入れ替え)
 3.Shift-JISへの対応(日本語コデックのインストール)
 4.IDLE(Python GUI)の日本語化

 1.オリジナルのインストール。

 Python-2.2.exeをダウンロードしてきて、ダブルクリックで実行すれば
あとはほぼ自動手順ですので、Nextボタンをおしつづけて、最後にFinishで問題
ないと思います。

 インストールオプションは、分からない場合、全て選んでください。

 インストール場所は変更できますので、お好きな場所にどうぞ。

 ただし、Program Filesのように、フォルダ名にスペースの入ったフォルダに
インストールするのは、後々面倒ですので、私はお勧めしません。

 インストールしたフォルダを、仮にC:\Python22(デフォルトではここ)だとすると、
以降・・・

 C:\Python22\lib\site.py

 などを・・・

 <root>\lib\site.py

 のように、書きます。

※C:\Python22\lib\site.pyは、「CドライブのPython22フォルダの中のlibフォルダ
 の中のsite.pyファイル」の意味。ちなみにフォルダ名やファイル名は、場合によって
 頭文字などが大文字になってたり小文字になってたりしますが、基本的に同じもの
 です。


 2.心臓部の入れ替え

 次に、python-2.2-sjis-20020228.zip(後ろの細かい数字は、もしかしたら
変更されるかもしれませんが、バージョン(2.2)だけはあわせたものをご使用くださ
い)をダウンロードして解凍すると、Python22.dllというファイルができます。

 このファイルを自動的にインストールされたものと入れ替えます。

 Python22.dllは、Windows95,98,MEならC:\Windows\Systemの中。WindowsNT、Windows2000、WindowsXPなら、C:\Winnt\System32の中に普通ありますが、
もし見当たらない(システムが別の場所にある)場合、ファイル検索をかけてみて
ください(スタートメニューにありますので・・・)

 なお、2000やXPを使用されている場合は、そのパソコンの管理者権限が無いと
システム変更できない可能性もありますので、もしファイルが開けない場合など
は、管理者の方に問い合わせてみてください。


 3.Shift-JIS対応

 次に、Windowsで日常使用されているShift-JISコードへの対応を行います。

 まず、JapaneseCodecs-1.4.4.win32-py2.2.exeをダウンロードしてきて、
「実行」します。

 プログラムによるファイルの書き換えが終わったら、次にファイルの修正
を行います。

 <root>\lib\site.pyというファイルをテキストエディタで開きます。

※愛用のテキストエディタが特になければ「メモ帳」でかまいません。
 「プログラム」→「アクセサリ」でメモ帳を立ち上げて、その画面に
 site.pyというファイルをドラッグ&ドロップします。
 決して・・・Wordなどのワープロで書かないでください。

 ファイルの末尾に、以下の1行のプログラムを追加してください。

sys.setdefaultencoding("japanese.shift_jis")

※Python文法では、文頭の空白が重要なので、余分な空白は入れないで、行
 の先頭から書いてください。

 メモ帳を閉じてファイルを更新すれば、とりあえず日本語化は終わります。


 4.IDLE(Python GUI)の日本語化

 IDLEは、PythonのGUI開発/実行環境ですが、この日本語化はちょっと面倒です
ので、手順を間違えないように、ゆっくり落ち着いて行ってください。

 まず、<root>\tclというフォルダにインストールされるtcl8.3というフォルダと
tk8.3というフォルダを、両方<root>\libというフォルダに移動します。

 <root>\tcl\tcl8.3 → <root>\lib\tcl8.3
 <root>\tcl\tk8.3  → <root>\lib\tk8.3

 次に、さきほど変更した<root>\lib\site.pyをメモ帳などで開いて、

 encoding = "ascii"

 という一文を、検索機能で検索します。

 で、この"ascii"の部分を"mbcs"に変更て、ファイルを閉じて更新します。

 次に<root>\tools\idle\config-win.txtというテキストファイルを開いて、
このファイルに修正を加えます。

※もし、最後の.txtが表示されない場合、拡張子表示されるようにWindowsの
 フォルダオプションを変更しておいてください。拡張子が表示されない状態では、
 スクリプトを書くのが非常に難しくなります

 このファイルは数行ですので、修正する行はすぐ分かります。

修正前 font-name: courier new 
修正後 font-name: MS ゴシック 

※「MS ゴシック」は、半角大文字で「MS」、半角スペース、全角カタカナで
 「ゴシック」と書いてください。面倒くさければ、上の文字をコピーして
 貼り付けてください。

 次に、<root>tools\idle\outputwindow.pyというファイルをテキストエディタ
で開きます。

 検索で・・・

 self.text.insert(mark, str(s), tags)

 という行を見つけて・・・

 self.text.insert(mark, unicode(str(s)), tags) 

 と修正・更新します。

 最後に、tk(Took Kit=道具箱のこと。GUIの部品)の修正パッチ
tk832ime.zipをダウンロードして、解凍すると、tk83.dllという
ファイルができます。

 これを<root>\DLLs\tk83.dllと置き換えて作業は終了です。

<テスト>

 まず、GUIがうまく使えるかどうか試してみましょう。

 以下のコードを書いたテキストファイルを作って、名前をtest.pywとして
ください。

#---test.pyw---
from Tkinter import *
W = Tk()
L = Label(W,text=unicode("ようこそ、Pythonの世界へ"))
L.pack()
W.mainloop()
#---end---

 ちっちゃい窓があらわれて、日本語メッセージを文字化けせずに表示
できれば成功です。

 つぎに、IDLEを使ってみましょう。

 スタートメニューから、「IDLE(PythonGUI)」というメニューを選択する
と、コンソールが現れます。

 このコンソール上で、下のコマンドを打ち込んで試してください。

>>> print "こんにちわ"

 '>>>'はプロンプトですので、キーから打つ必要はありません。

 無事、入力できて・・・

こんにちわ

 と、表示できれば成功です。

 それでは、「ようこそ、Pythonの世界へ☆」

   機械伯爵