作者: Hiroshi Shinohara
日時: 2003/8/23(22:02)
Iconミニ講座7(曖昧参照)

 はじめると、止まらないエビセン体質のため、ついついミニ講座の続きを考えて
しまいます。 曖昧検索を入れてみました。
 コマンドラインから、英文文字列を指定して辞書検索を行いますが、'.'をワイルド
カード (a-z)と見なせるようにしてみました。
 '.'が2文字以上の場合は、"ab"と "ba"のようなものは、別に検索しないように
細工を入れました。

-----^ DICREFP2.ICN ( date:03-08-23 time:21:51 ) -----------<cut here
####################
# 辞書読込・使用文字種毎の分類をした辞書参照で、曖昧検索対応。
####################
# dicrep2.icn Rev.1.0 2003/08/23 windy 風つかい H.S.
####################
# Usage dicrefp2 英文字列(.はワイルドカード)
#    english.dicは、スペルチェック用の英単語が順に並んだもの。
#    このプログラムのテストでは、DD SOFT SoundMixSpellコンポーネント
#    Ver 0.3.0 に 同梱の辞書ファイルを使用。
# This file is in the public domain.

procedure main(args)
  # コマンドライン引数チェック。無ければ Usage表示
  if *args < 1 then stop("dicrefp2 英単語 ( . はワイルドカード)")
  # 辞書読込
  dic := "english.dic"                   # 辞書ファイル名
  dir := open(dic) | stop(dic," が見つかりません")   # 辞書ファイルオープン
  S_dic := set()                         # 辞書ダブリチェック用 set生成
  T_dic := table()                       # 辞書格納 table生成
  write(dic," を読込中です。")           # 辞書読み込み
  write("開始:",&clock)
  n := 0                                 # 辞書行数カウンタ

  while word := read(dir) do {           # 辞書を1行ずつ読み込んで、
    n +:= 1
    if n % 1000 = 0 then writes(&errout,"*")    # 読み込み状況表示
    if member(S_dic,word) then writes(&errout,"?") # 登録済みならエラー表示
    else {
      insert(S_dic,word)                 # setに登録
      # 単語を小文字変換しソートしたものをインデックスにして格納
      # 同一文字を含む単語は同じインデックスに listの要素として格納される。
               # ↓文字列ソート
      s_word := csort(map(word))         # 小文字へ変換し、ソートして
                     # ↑小文字変換
      if member(T_dic,s_word)            # 辞書テーブルにあるかチェック
      then  put(T_dic[s_word],    word)  # あれば、その listに追加
      else      T_dic[s_word] := [word]  # 無ければ、listに入れて登録
    }
  }

  close(dir)                             # 辞書ファイルクローズ
  write(&errout)
  write("終了:",&clock)
  write(dic," の読込を終わりました。  ",*S_dic," 語ありました。")
  write("同一文字で構\成される単語をまとめると、",*T_dic," 種類となります。")
                 # ↑Shift-JISでは、0x5cを含むので、"\"を補完。

  # 辞書参照テスト
  # コマンドラインの引数にて、辞書を参照
  c_word := args[1]
  s_word := deletec(c_word,'.')    # コマンドライン文字列から '.'を削除
  n := *c_word -*s_word            # '.'の数
  n_comb := 0                      # 組合せ数カウンタ 
  n_find := 0                      # 辞書にある件数カウンタ

  write(c_word," の組合せが辞書にあるかチェック中です。")
  write("開始:",&clock)

  every s := mscombd(string(&lcase),n) do { # ワイルドカード対応文字を取り出し
    n_comb +:= 1                   # 組合せ数カウンタ+1
    ss := csort(map(s || s_word))  # コマンドライン引数の '.'以外の部分に足し
                                   # 小文字変換し、ソートして
    if member(T_dic,ss)            # 辞書にあれば
    then {
      n_find +:= 1                 # 辞書にある件数カウンタ+1
      writes(&errout,"!")          # 発見表示
      writes(ss,": ")              # 変換前のデータを書き出し
      every writes(" ",!T_dic[ss]) # 辞書内容を書き出す
      write()
    }
  }

  write(&errout)
  write("終了:",&clock)
  write(n_comb," 通りの組合せのうち、",n_find," 通りが辞書にありました。")

end


#############################
# 文字列から重複して、n個、降順のものを取り出す generator
#############################
# arg [1]: string
#     [2]: integer
# value  : string
# Usage  : every ss := mscombd(s,n) do ..
# ("abc",2) -> "aa","ab","ac","bb","bc","cc"
procedure mscombd(s,n)
  if n =0 then return ""                # 再帰終了
  every i := 1 to *s do {               # 1〜文字列長まで
           # ↓ i番目の文字を取り出して
    suspend s[i] || mscombd(s[i:0],n-1)
  }                         # ↑それ以降の文字と組み合わせる
end


# BIPL(Icon基本ライブラリー)より

####################
# strings.icnに含まれる 文字のソート procedure
####################
procedure csort(s)             #: lexically ordered characters
   local c, s1                 # ローカル変数宣言(無くても良い)
   s1 := ""                    # 初期値クリア
   every c := !cset(s) do      # 引数を cset(文字集合)へ変換し順に取り出す。
      every find(c, s) do      # 取り出した文字で、引数文字列を検索し、
         s1 ||:= c             # 見つかる度に、文字を s1に足し込む。
   return s1
end
# csetから !で要素を取り出す時には、アルファベット順に取り出せる。

####################
# strings.icnに含まれる 文字の削除 procedure
####################
procedure deletec(s, c)                  #: delete characters
   local result                          # ローカル宣言(無くても良い)
   result := ""                          # 削除後の文字列格納エリア
   s ? {                                 # sを走査対象として、
      while result ||:= tab(upto(c)) do  # cが見つかる迄の文字列を足し込んで
         tab(many(c))                    # c以外の文字までスキップ
      return result ||:= tab(0)          # 余りの文字を足し込む
      }
end
-----$ DICREFP2.ICN ( lines:123 words:404 ) ----------------<cut here

 dicrefp2 sunris. >ggg と、ワイルドカードを 1ついれた場合は
こんな結果になります。
-----^ GGG ( date:03-08-23 time:21:52 ) --------------------<cut here
english.dic を読込中です。
開始:21:51:57
終了:21:52:40
english.dic の読込を終わりました。  257650 語ありました。
同一文字で構成される単語をまとめると、223704 種類となります。
sunris. の組合せが辞書にあるかチェック中です。
開始:21:52:40
ainrssu:  Russian Surnias
dinrssu:  sundris
einrssu:  insures Serinus sunrise
終了:21:52:40
26 通りの組合せのうち、3 通りが辞書にありました。
-----$ GGG ( lines:12 words:25 ) ---------------------------<cut here

風つかい(hshinoh@...)
IconのWWWは、  http://www.cs.arizona.edu/icon/
UniconのWWWは、http://unicon.sourceforge.net/index.html
BGM: 日本組曲 / 有馬徹とノーチェ・クバーナ with 杉本喜代志